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インフレターゲットの素朴な疑問

3 名前:すりらんか@ご無沙汰しました 投稿日:2001/08/21(Tue) 00:30

あ!ほぼ2hen時代の僕と同じ理由でのインフレターゲット懐疑論です.
んで,以下が「我は如何にして金融緩和論者と成りしか」です.

>インフレが信認されるような状況を作り出すことは困難
これは今でも相当困難だと思っています.ただし,インフレを起こそう
という一連の行動によって生じる痛みの方がそう大きいと思われないな
らば,政策的な意味では「買い」なのではないかと思いました.また,
現時点で最大の資金需要者である政府に資金を持続供給することを決め
ればは相当なインフレ期待を有無と思うのですが如何でしょう.

>インフレ政策を市場が信認した時点で、名目利子率が「固定」ではなく
>なるのではないでしょうか。
これについては,インフレが続けば(or続くと信じられるなら)いつかは
そうなるとき(というかそうなる期間)が出るでしょう.しかし,現時点
での名目利子率0は「名目利子率さえもマイナスにしたいぐらいだが出来
ない」という0なのではないでしょうか.均衡実質利子が−1%,名目利
子率が0,期待デフレ率(!?)が2%としたときに,現時点では期待実
質利子率は均衡水準に対して3%高いわけです.インフレ率が1%を超えるま
では名目利子一定で考えても構わない.現状での実質利子率がいかに高い
かを示す好例として有名なのが生保が預金で資金運用をしようとした話し
などが伝わっていますね.

また,会員さんは挙げられていませんが「実質利子が下がったって投資が
増えるとはかぎらんだろ(投資の利子率弾力性の問題)」というのも私にと
って「引っかかるところ」だったのですが,インフレから景気の影響は投資
経由のものだけとは限らないと思い,考え直しました.退蔵的な貯蓄の叩き
出し効果です.インフレ期待が高まれば,個人・企業は現金での資産保有の
みでなく現物でつなごうと考えるでしょう.また,世代館での再分配の効果
も重要ではないかと思います.
29 名前:ドラエモン@出張帰り 投稿日:2001/08/31(Fri) 13:38

>こてはん29殿@28

確かにインフレ期待をコントロールすることは困難です。で、インフレターゲットはまさ
にそれを実現する手段として導入されたのです。動学的非整合性つまり、都合がいいとき
だけ反インフレ政策採って、インフレが弱まるとすぐ景気刺激政策を取ると民間が考える
ようでは、そもそもインフレ率の引き下げは期待インフレ率の高止まりを通じて実現でき
ないので、一定の目標インフレ率にコミットしようというわけです。(なんて、偉そうに
説明してますが、実はここで教わったのである)

ですから3%なり4%にインフレ率を目標にすると宣言する方が、しないよりも「インフ
レ的経済」では期待をコントロールし易いはずということです。今のままなし崩しに金融
緩和を続け、批判派が憂慮しているように急激にインフレ期待が高まるよりも、インフレ
目標にコミットした方が結果的に副作用として生じるインフレの昂進のリスクは低くなる
はずです。

もちろん、この頃渡辺努一橋大助教授が強調しているように、デフレ克服の過程では、一
時的に本来のインフレ目標をオーバーシュートする必要があるのかもしれませんが、それ
なら目標値を高め(4%か5%)に設定してしまうのも手です。

なお、80年代のスタグフレーションのケースでインフレ期待の鎮圧が難しかった理由と
しては、それが石油価格という多くの先進国経済にとって事実上の本源的生産要素の上昇
であったという問題があります。現代のテクノロジーが石油エネルギーに大きく依存して
いるのは明らかで、石油からそれ以外の生産要素へのマクロでの代替は、産業構造の大幅
な変化が必要であり、インフレの本質は単なる貨幣的な現象ではなかったからです。しか
も石油価格の決定は(少なくとも短期的には)非経済的/政治的要因に依存しており、需
要の減少がストレートに価格に反映しなかったのです。
30 名前:こてはん29 投稿日:2001/08/31(Fri) 16:40

ドラエモンさん、ご教示ありがとうございます。

もう少し、私の理解と疑問を整理しておきますね。過ちがあれば、
ご指摘のほどを。

私は、期待インフレ率をコントロールすることは、基本的には可能だと
理解しているのですよ。

そこで、今回、期待インフレ率を上げることに成功したとしますよね。
しかし、その上がったままの期待インフレ率をいつかは下げないといけ
ないわけです。そうでないと、高インフレ&高失業率といったスタグ
フレーションがおこりうる状況、つまり、フィリップス曲線が上方に
シフトしてしまった状態のままになるのではということです。

それを戻すためには、期待インフレ率を下げるわけですが、そういう
ことをやると、80年代初頭のアメリカ(実質GDPが潜在GDPを
かなり下回っていた時期ですね。)のように景気の悪化を招くのは
避けられないと思うのですよ。つまり、将来時点の不況を心配している
わけです。

ドラエモンさんは、期待インフレ率を下げるコストが、80年代初めに、
高かったのは、石油価格の不透明さといった外的条件にあるとみている
わけですね。つまり、今回の日本の場合は、それほどの景気の犠牲を
払わずに期待インフレ率を下げられるとみておられるのでしょうか。
31 名前:ドラエモン 投稿日:2001/08/31(Fri) 17:03

というか、それ以上のインフレ率は許容しないゾというコミットメントがインフレ目標で
もあるわけで、せいぜい5%位までのインフレ期待しか形成されないのでは?

あなたが想定しているのは、インフレ目標を5%にしても10%くらいのインフレが発生
したりするような事態ですか?
32 名前:2ちゃんの相場師@ときどき宇野弘蔵 投稿日:2001/09/01(Sat) 00:39

マル経で経済学を学んだものにも解るように整理してほしいよな。

んで,否定派は,現実に利子率を操作できるかどうかは別として,期待インフレ率を上げて
実質利子率が多少低下しても,投資は増加しないと言ってるの?それなら解るよ。
でも,個別の経済主体は多くの場合実質値ではなくて名目値に反応するから,>>02の
ドラエモン博士の「ただし、実質金利が一定で名目金利が期待インフレ率の分だけ上昇しても、
消費需要にプラスに作用する可能性はあるのではないか?現時点での非銀行部門の保有している
現金残高は異常に多く、僅かなインフレ懸念でも消費か投資に振り向けられる可能性は十分ある
ように思われる。」
ってのがよくわかるんだけど?
33 名前:2ちゃんの相場師@ときどき佐藤和三郎 投稿日:2001/09/01(Sat) 00:45

追伸
朝までテレビのレベルで言うと,森永ちゃんなんかがわかり易かった
よな。
34 名前:野次馬 投稿日:2001/09/01(Sat) 01:21

インフレターゲットに懐疑的な理由の一つとして上げられているのは、インフレが起きる前に、日銀が引き受ける国債の暴落=長期金利の上昇が発生する可能性があるということだと思います。これが結局円の増加につながらないということではないでしょうか。

それから、アメリカの景気の具合で円高・ドル安で進行している為替相場が、何らかの契機によって円安に反転したときに、そのスピードや日本の経済の調子などによって更なる円暴落につながらないとも限らないという側面もあるのでは。

ただ、このインフレターゲットは「やってみないと分からない」という面と、「やる以上は効果が出るまでやらないと無意味」という面が並存しています。懐疑的な立場からは「予期せぬインフレ等の結果に歯止めが効かなくなる」恐れを強調していますね。
35 名前:こてはん29 投稿日:2001/09/02(Sun) 11:48

>ドラエモンさん
>せいぜい5%位までのインフレ期待しか形成されないのでは?

期待インフレ率を5%にしたとして、一度インフレに対する期待が形成されてしまうと、景気が過熱したときなど、それ以上(たとえば、10%?)のインフレがおこることはあり得ると思いますが、それは私の想定している事態とはそれほど関係はありません。

私の言っているのは、繰り返しますが、フィリップス曲線のシフトの話なんです。長期のフィリップス曲線は、垂直だと思いますが、短期的には、期待を組み入れたフィリップス曲線は、
インフレ率=期待インフレ率−e*(失業率−自然失業率) (e>=0)
と書けるでしょう。

期待インフレ率をあげるということは、このフィリップス曲線を上にシフトさせることを意味します。そこで、私が問題としているのは、将来時に、期待インフレ率を下げるように調整するためのコストです。その時、もし、インフレ・ターゲティングなりで、インフレ率を下げようとすれば、一時的には、短期的なフィリップス曲線上で動くことになるので、(下方への)期待調整過程では、一時的に失業が発生(景気悪化)することになるでしょう。

もし、短期的なフィリップス曲線の傾きが水平に近い(eが0に近い)場合には、インフレ率の低下が小さくとも、失業率は大きいものになるということがありえます。つまり、(下方への)インフレ期待調整のコストが非常に大きいかもしれないということです。

結局、現在、期待インフレ率の上昇させることはできるけれど、将来、期待インフレ率を下げるときは、景気悪化のコストが必要ではないかということです。つまり、現在の不況を回避するために、将来の不況で贖っていることにならないですかということです。
36 名前:すりらんか 投稿日:2001/09/02(Sun) 12:54

3%程度のインフレ期待が成立したとして,それを引き下げなきゃ成らない
理由が分からないです.3%程度のインフレが継続する経済というのは特に
不健全な物だとは思わないのですが,如何でしょう.

あと,こてはん29さんの想定するインフレ・アウトプットトレードオフ
の源泉は貨幣錯覚ですよね.それだと,期待インフレを裏切ることが経済
を動かす原動力ということになる.ってことははじめからターゲットイン
フレを守る気がないという前提で政策を採ると言うことです.しかし,こ
こで議論されているインフレターゲットはその種の物ではないと思います.
37 名前:ドラエモン 投稿日:2001/09/02(Sun) 14:08

>こてはん29殿

このデフレの経験で重要な教訓は、平時でもインフレ率3%か4%くらいを維持しないと、需要
サイドに下向き圧力が働いた場合に金融政策の有効性が著しく減殺されるということと、効率的
なサプライサイドを維持するために必要な相対価格の調整もクリーピングなインフレがないと実
現できないという事だと思う。その意味で、最終的にゼロインフレに到達するために必要な費用
を心配する必要はないでしょう。
38 名前:ドラエモン 投稿日:2001/09/02(Sun) 14:10

失礼。クリーピングというのは不適切な単語。マイルドですね(w)
39 名前:こてはん29 投稿日:2001/09/02(Sun) 15:18

すりらんかさん、ドラエモンさん、色々ご教示ありがとうございます。
私、マクロ厨房なもんですから、勉強になります。

>3%程度のインフレ期待が成立したとして,それを引き下げなきゃ成らない
>理由が分からないです.

そうですね、例えば、現在の失業率増大が、労働市場の構造変化によるもの
(日本社会の高齢化、IT化、金融再編、改革の痛み?)であったとしたら、
どうしますか?これは、ベバレッジ曲線を右上にシフトさせていることに
なりますよね。すると、当然、フィリップス曲線も上にシフトすることに
なりますから、失業率が下がるには、かなりのインフレになりませんか?
そこで、インフレ期待を下げるように期待調整するときには、前述のような
景気悪化のコストが出てくると思いますけど。

そういう意味では、ドラエモンさんが31でいっている私の想定は間違って
いないのかもしれないと思い直しました。それとも、私は、かなり変なことを
考えています?

実は、現在の期待インフレ率は、マイナスで、それをゼロに持っていくと
いうなら、まだ話は理解できるのですが。


( 役に立った! | 元スレ )
40 名前:ドラエモン 投稿日:2001/09/02(Sun) 15:31

>こてはん29氏@39

インフレ目標であっても失業率目標ではないですから、労働市場の構造問題に由来する失業を
総需要で減らそうとして加速的なインフレに突っ込むケースは問題外ではないか?当面は、
デフレ由来の失業率の上昇を抑えようというだけですし。
41 名前:元学生 投稿日:2001/09/02(Sun) 16:56

>デフレ由来の失業率の上昇を抑えようというだけですし
これってフィリップ曲線のことを言ってるんですか?
フィリップ曲線とインフレターゲット論を関係づけるような論文など出てるんですか?
42 名前:名無しSeptemberLove 投稿日:2001/09/02(Sun) 19:19

インフレ率をあげても一時的に失業率があがるだけで、
長期的には期待インフレ率があがり、失業率は自然失業率
にもどるという話があるのに、なぜインフレターゲットは
実物経済に影響するなんて話をするのでしょう?
43 名前:ドラエモン 投稿日:2001/09/02(Sun) 23:46

>42氏

つまり、あなたの想定してる世界は自然失業率と、それに対応する自然利子率の成立してる世界
なわけですよね。だから金融政策が雇用に影響しないし、インフレ期待の変化した分だけ名目金
利が上昇し、実質利子率は一定。結局、議論の前提が金融政策の有効性を排除してるわけです。

最近、この手の新古典派マクロ経済学の総帥の一人であるサージェント先生が、こと日本で生じ
てる現象に関しては新古典派は有効ではないと告白したという興味深い噂が流布してますが、多
分本当ではないかと思います。

ここでインフレターゲットの話をしてる連中(含む僕)は、基本的にはケインズ派つまりかなり
の長期にわたり貨幣の中立性が成立しない世界を前提に議論してるわけです。まったくもって、
70年前にマクロ経済学は逆戻りの今日この頃(笑)
44 名前:すりらんか 投稿日:2001/09/03(Mon) 01:03

>失業率は自然失業率にもどるという話があるのに、なぜインフレ
>ターゲットは実物経済に影響するなんて話をするのでしょう?
貨幣錯覚説でも,ルーカス島でも少なくとも一時的には実物経済に
影響するんですよ?というよりも36でも書きましたが,貨幣錯覚か
らフィリップスカーブって説明は「全ての失業は自発的である」と
いう前提が端から効いてるんですよ.現在の日本の状況を考えてこ
の前提での議論が妥当だとは到底思えないのですが…….ケインジ
アンと新古典派の違いは期待形成にあるのではありません.

P.S.
とぎれとぎれにしか見てなかったんだけど,NHKの夜の討論番組で塩
じいが「自発的失業が多い」とか言ってましたね.おいおい,とか思
っちゃった(モー娘。見つつだったからどういう文脈かは分からない
んですが^^).
45 名前:質問 投稿日:2001/09/03(Mon) 02:17

766 名前:岩井克人 投稿日:01/09/02 05:05 ID:7/6iQ4CI
>>762
狂う愚マンは読んでいる。
ある意味で、当たり前のことが書かれた論文だった。
ただし、そうした当たり前のことさえ書けないことが問題なのだが。
で、何が問題なのかというと、実態を明らかにしてないことによるのだが、
彼が、日本の不良債権問題を知らないで書いていること。
仲のよい吉冨勝が、狂う愚マンにそのことをいったら黙り込んだといっていた。
吉冨は最近、狂う愚マンに、アメリカの大規模財政出動こそ世界のために必要だ、
と書くように勧めているらしい。


767 名前:  投稿日:01/09/02 05:10 ID:XxVVgBRs
>>766
ありそうな話でわあるが、一応聞いておく。
「ソースは?」


768 名前:岩井克人 投稿日:01/09/02 05:24 ID:o5TlGXyg
>>767
ありきたりではあるが、一応、答えておく。
ソースは、おたふく!

と言う書き込みがありましたが、ドラエモンさんはどう思われます?
46 名前:名無しSeptemberLove 投稿日:2001/09/03(Mon) 02:27

岩井先生が書いてないことだけは確か。
47 名前:ドラエモン 投稿日:2001/09/03(Mon) 18:42

クルッグマンが日本の不良債権問題を知らないというのは間違いでしょう。ただ、不良債
権の蓄積=>金融機能の低下=>需要減少=>デフレ=>不良債権の一層の増価という悪
循環をどこで断ち切るか?どうやって断ち切るか?という視点が、構造主義者には欠けて
いると思う。デフレ期待はストレートに資産の名目価格の下落を即時的に結果するわけで
それはそのまま不良債権の増加なわけです。ですから、デフレ期待を逆転させる手段を欠
いている処方箋は、間違いなく有効なはずはない。もちろん、クレディブルな金融政策だ
けでデフレ懸念を払拭できるか否かははっきりしないのも事実ですけど、少なくともそう
した金融政策を欠いている限りどのような構造政策も有効ではない。それこそが、クルッ
グマンが、ワルラスの手順通りに「交換の一般均衡」からスタートして「信用の一般均衡」
までモデルを拡張しながら説明したことではないでしょうかね?
48 名前:三流大学ドキュン 投稿日:2001/09/06(Thu) 18:04

ゼロ金利政策とインフレターゲットの整合性はあるんでしょうか?
ゼロ金利を持続するというのは、(均衡実質利子率が正であるとして)中央銀行が
マイナスのインフレ率にコミットすることを宣言していると同じことですから、
これとインフレターゲットの整合性は無いように思うのですが?
49 名前:ドラエモン 投稿日:2001/09/06(Thu) 18:27

>48

ゼロ金利ってオーバーナイトコールレートですよ。長期金利は1.4%でしっかり金利
ついてます。その言い回しは、なんか斉藤誠せんせいと一緒だな。区別しなきゃね、
長短金利。

もちろん、インフレターゲットと長期金利の低下は整合しません。ところがこれがゼロ
金利の「時間軸効果」といって日銀が自画自賛してる奴です。その点では、仰るとおり
政策とその意図は不整合で、コミットメントを疑わせるに十分なものです。





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