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ソロー残差

3 名前:すりらんか 投稿日:2000/08/21(Mon) 04:57

>「恒久的なショック=技術進歩、一時的なショック=需要ショック」
という考え方自体にあまり賛成しないのです.たとえば,核家族化な
んかは恒常的な耐久消費財需要へのショックですからね.

まぁ,でも私は計量より時系列の方が好きだし,経済理論をデータの
上で確かめる重要な手段ですから大変重要だと思います.問題なのは
その使われ方です.統計の大御所的な先生がおっしゃっていたんです
がGMMとかGARCHとかたいそうな道具を持ち出すよりも,データについ
ての正確な知識・クセをしっかり把握し,データを論理的に組み合わ
せて用いる方がよっぽど有効・正確な結果に近づきやすいのに……私
も,大賛成です.
4 名前:ぼけ老人 投稿日:2000/08/21(Mon) 07:01

なるほどなるほど。
すりらんか氏はセオリストですな?
時系列分析の割り切り方はちと乱暴という感じですかね。
実務はどうしても計量テクニック偏重になりがちです。
エコノメの悪用方法については確かどこかにスレッドがありましたねえ。
いやいや。
私の紹介した手法がアコギというわけではないですけどね・・。
(もとはBlanchardのAER論文(確か1992年?)です)

しかし段々、技術進歩とは?需要ショックとは?
という哲学論争になりつつありますな・・。
すりらんか氏の核家族化の例は一理あるとは思いますが、
ショックが恒久的なモノである以上、金融政策でオフセットすることは
ふさわしくないように思いますねえ。
ところでRBCのプレスコット先生はT大の吉川洋大先生に、
「需要・供給ショックという呼び方はやめなさい
 Preference shockとTechnology shockが存在するだけです」
と言い放ち、険悪な雰囲気が漂ったという逸話があります。
私はどちらの味方でもないですけどね。
ははは。
5 名前:すりらんか 投稿日:2000/08/21(Mon) 16:32

>すりらんか氏はセオリストですな?
いいえ,自分ではそのつもりでいるのですが,友人は
「セオリストの皮を被った,実証屋」またはその逆…
こうもりのようなやつだと言われます(笑).

>しかし段々、技術進歩とは?需要ショックとは?
>という哲学論争になりつつありますな・・。
形而上学化しちゃいかんですな.反省反省.
と言うわけで話題を戻すと,VARでの恒常ショックの
動きと,ソロー残差の動きはどのような関係にあるの
でしょうか?興味あります.論文とかありましたら
サジェストください.
6 名前:ぼけ老人 投稿日:2000/08/21(Mon) 16:55

私も本当はセオリーがやりたかったんですけどねえ。
実証屋の皮を被ったままボケてしまいましたよ。

日本でこの手法をきちんとやったという論文は今のところないはずですねえ。
私は去年あたりに適当にやってみましたが単なるmimeoです。
もしかすると、どこぞの官庁から似たようなモノが出るかもしれませんが・・。
因みに3変数以上でも同様の分解ができます。
カナダ中銀などは3変数VARを用いてGDPギャップを計測していたはずです。
しかしその場合は第三成分の経済学的な意味づけが難しいですけどね。

ソロー残差と分解された恒久的なショックを比べた時に
気がつく点としてはこういうのがありますな。
両者に顕著な開きがある期間は、
GDP統計(QE)の確報改訂時に大きな修正がおこった期間と
奇妙に一致していたりします。
実に興味深いのですが、明確な理由はよく分かっていません。
不思議ですなあ。
7 名前:ぼけ老人 投稿日:2000/08/21(Mon) 17:16

>すりらんか氏
ご要望の参考文献ですが。
おおもとはAERを当たってもらうとして、
すぐに日本のデータを使って猿真似できる論文としては、
http://www.bankofcanada.ca/en/res/wp97-5.htm
というのがあります。
修士課程の学生がいればエクササイズとしてもいいかも知れませんな。
8 名前:Mんぷす 投稿日:2000/08/22(Tue) 00:13

初めてカキコいたします。
ソロー残差の中身については、すりらんか氏と同様、私も大変
興味があります。この問題は、たしか1970年代初頭のJorgenson
and GrilichesとDenisonの間の論争以降議論になり続けて、
未だに収束していない大問題ですよね。このときのポイントは、
「GDP変動のほとんどは個々の生産要素の変動に帰することが
出来、それ以外の要因はほとんど存在しない」というJorgenson
and Grilichesに対し、個々の生産要素のmeasurementは質量
ともに正確に把握できていたとしても、その配分方法や社会制
度的要因(他にも公共投資の生産力効果など)によってGDPは変
動しうるという立場が一方にあったように思います。
この際の両者は、ソローの手法と同様に一次同次生産関数を仮
定した上で、生産要素のmeasurementを極限までリファインし
て、出来る限り生産要素の変動でGDPを説明し、その残りをまた
他の要因で説明していくという、正統かつストイックな議論を
展開していました。
その後、80年代から内生的成長理論が興隆したことにより、生
産関数に初めから収穫逓増的な要因を導入して議論を進めるこ
とが多くなり、上記のような、生産要素のmeasurementといっ
たストイックな議論はどちらかというと後退したように思いま
す。初めから目に見えない要因を仮定しているわけですから、
その中身が何であるかに関心がないのは当たり前ですよね。
ですが、ソロー残差の中身を知るといった基本的かつ重要な問
題意識からは、1970年代以前の彼らの議論のほうが地に足がつ
いていて、よほど真に迫っていたように思うのは私だけでしょ
うか?
9 名前:すりらんか 投稿日:2000/08/22(Tue) 00:48

>Mんぷすさん
私もそう思います.70年代の方が経済学が経済学だった
のかもしれない….実はわたし,内生的成長あんまり好
きじゃないんですよ……あまりの特殊ケースでしょ.あ
と人的資本も「あたりまえじゃん」ってかんそうを持っ
ちゃう.そんなこんなで研究分野が狭いわたし.

ところでぼけ老人先生の
>確報改訂時に大きな修正がおこった期間と奇妙に一致
>していたりします
というのは,ソロー残差=統計誤差説の証左になり得る
かもしれない……ちょっと掘り下げてみたいきもします.
10 名前:ぼけ老人 投稿日:2000/08/22(Tue) 02:35

生産関数アプローチは根強い人気ですな。
確かに時系列分析のアプローチを持ち出すまでもなく、
そもそもQEと確報が乖離する時にはソロー残差は拡大しがちですね。
(最近で顕著だった例は95年でしたかね)
とにかく皆さんサービス残業はやめましょう。
ソロー残差が拡大するもとですな。

しかし生産関数アプローチは技術進歩が線形トレンドを
持っているという仮定と切り離すのが難しいでしょう。
私はこの仮定が絶望的なほど現実離れしているように思いますな。
労働強度や稼働率をいくら調整しても現在のインフレ率に整合的な
GDPギャップは出てこない気がするわけですな。
>すりらんか氏、Mんぷす氏
11 名前:Mんぷす 投稿日:2000/08/22(Tue) 09:16

>ぼけ老人氏
確かに、生産関数アプローチを支持する立場を取ったとし
ても、TFPが線型で伸張するという仮定には何の根拠もあ
りません。その点については、かつてシュンペーターが
「結果としてのトレンド」という言葉で表したように、事
後的には何らかのトレンドを持っているように見える経済
変動も、事前的には単なる偶発的・確率的な事象にすぎな
いわけですからね。
ただ、私はぼけ老人氏と異なり、インフレ率との関係とい
う意味では、生産要素の稼働率の測定をリファインすれば、
マクロの需給ギャップというのはある程度把握できるよう
に思います。もしその需給ギャップとインフレ率の関係が
安定的でないならば、それはTFPの線型トレンドの問題で
はなく、フィリップス曲線におけるなんらかの構造変化に
原因を帰すべきではないかと考えますが、どうでしょう。
12 名前:ぼけ老人 投稿日:2000/08/23(Wed) 04:14

Mんぷす氏はどこかで見かけたような気がしますな・・。

線形な技術進歩を棄てれば、ある程度は問題は解決するでしょう。
つまり最終的に突き詰めたソロー残差は供給ショックと
して認めてしまおうというわけですな?
それはある意味RBCモデル的であって技術ショックは
ランダムに生じており、時にはネガティブであるということを
意味するわけです。そういうことを言うと吉川洋大先生は
お怒りになりますぞよ(笑)。
私は大賛成ですけどね。

フィリップス曲線のシフトという話ですが、
これはちと分かりませんなあ・・。
具体的には何です?
13 名前:Mんぷす 投稿日:2000/08/23(Wed) 11:15

>Mんぷす氏はどこかで見かけたような気がしますな・・。
??まぁ、気のせいでしょう。私はホントに書きこみ初めてですし。

>つまり最終的に突き詰めたソロー残差は供給ショックと
>して認めてしまおうというわけですな?
GDPギャップ測定という観点からは、稼働率の計測の時点で需要の変
動は捉えていますから、(稼働率も考慮して算出した)ソロー残差か
ら需要要因をさらに取り出してGDPギャップに含める必要はないと思
います。
問題は、(すりらんか氏が1で仰るように)そのソロー残差の中にい
わゆる技術要因がどの程度含まれているかということなわけで、もし
統計誤差要因やその他の技術進歩以外の要因が大勢を占めるならば必
ずしも吉川大先生は爆発されないように思います。でも、ケインジア
ンだからといって即TFPが線型トレンドということでもないようには思
いますけどね。
フィリップス曲線のシフトは、労働市場の構造変化(ベバレッジカー
ブのシフト)などが一つの要因になると思っています。


( 役に立った! | 元スレ )
14 名前:すりらんか 投稿日:2000/08/23(Wed) 12:41

>技術ショックはランダムに生じており、時にはネガティブ
>であるということを意味するわけです。
いや,残差算出の時の「引き算」に含まれない生産要素の外
生的価格上昇なんかは,技術退歩と同じ影響をもたらすので,
その意味においては技術ショックが負のこともあり得るわけ
です.さらにマークアップがあるならば資本装備率の変化も
ソロー残差に効いて来ます.
>「GDP変動のほとんどは個々の生産要素の変動に帰することが
>出来、それ以外の要因はほとんど存在しない」
最近Jorgensonはちょっと宗旨替えしたみたいですけど,私は
基本的にこれは正しいと思います.ただし,では投入を徹底的
にrefineすればソロー残差が0になるかといえば,不完全競争・
収穫逓増の下では必ずしもそうは言えない.ソロー残差自体が
ちょっと無理のある考え方なのではないかな…と.
第一,ソロー残差を究極的にゼロに出来るならば,そこでわざ
とはずした生産要素の生産性を測るという方法で,ソロー残差
を生かすことが出来るでしょう.でもHallに従うとそれもむり
ってことになる.
15 名前:ぼけ老人 投稿日:2000/08/23(Wed) 15:31

>Mんぷす氏
私も概ね賛成ですな。供給ショックと技術ショックは同じではないですからねえ。
それはそうと吉川大先生曰く、
「ソロー残差なんてのはね。100%需要ショックそのものなんだよ。」
と渋い声で言っておられた(笑)・・。
すりらんか氏の言われるように原油価格が上昇したらどうするのでしょうなあ。

ビバレッジ曲線の件はいわゆる需給のミスマッチですな。
しかしあれは点をプロットするだけなので見方によっては
なかなか苦しいように思いますが・・。
労働市場の構造変化を表すもう少しフォーマルな指標に、
Lilienの'dispersion index'というのがあります。

v=Σ(xi/X)*(dxi-dX)^2

というもので第i番目の産業の雇用量の変化(=dxi)とaggregateされた
雇用量の変化(=dX)との差の二乗の加重平均です。
この値が大きいほど産業間で労働力移動が生じていることが分かります。
この指標を使うと90年代を通じて我が国の労働力が産業間で移動したという
証左はほとんど得られなかったりします。
というわけで現在の失業率の高止まりが労働市場の構造変化の影響による
モノだと結論づけるには私としては今ひとつ自信がないところですな。
16 名前:ぼけ老人 投稿日:2000/08/23(Wed) 15:34

ちと話がそれましたな。
ぼけとりますのでご容赦。
別スレ立てた方よいですかね・・。
17 名前:ドラエモン 投稿日:2000/08/28(Mon) 14:05

ここで議論してる人には当然なのかもしれないけど、ソロー自身とソロー残差
は分けてるよね?ソロー自身は、ヴィンテイジモデルの提唱者で、技術進歩と
設備投資の分離が原理的に難しいことを最初に主張した一人なわけだから。
18 名前:skeptic 投稿日:2000/08/29(Tue) 16:30

ちょっと質問ですが、第i番目の産業の雇用というのはどうやって定義しているのですか?
例えば、富士通やNECなど製造業ですが、サービス業に近いシステム開発やソフトウエアのサポート
などに事業構造がシフトすると、中身的にサービス業をする従業員の比率が高くなります。
通信会社なども従業員の半分以上は、実際のところ顧客のサポートや販売にたずさわって
います。
それから、派遣社員というのはどの産業に入るのでしょうか?メーカの技術者として派遣
されていても派遣会社に属しているとサービス業になるのですか?

そもそも、ソロー残差というのは指標として具体的に何の役に立つのですか?
19 名前:すりらんか 投稿日:2000/08/29(Tue) 16:35

>skepticさん
ちょっと経済学から離れたところにいる人のほうが,やはり,いい
「目」をしてますよね.(もしくは,実は玄人が素人のフリをして
るのかにゃ)わたしは,ソロー残差はインプットのメジャーが適当
なことから正確に測れないし,正確に測れてもあんまり意味の無い
モノだと思います.長期的な技術の趨勢を見ることが多少は出きる
かもしれないですが……(これってソロー自身が指摘してるんです
けどね).
20 名前:ぼけ老人 投稿日:2000/08/29(Tue) 18:08

>スケプティック氏
むむむ。鋭い!
いや、これは言われて初めて気がつきましたよ。
最近、あまり生データをさわっとりませんので、はっきり覚えとらんのですが、
私自身がこれを調べた時は、労働省の「毎月勤労統計」か総務庁の「労働力調査」の
どちらかを使ったように記憶しとります。 が、いずれにしても業種区分の詳細まで
気が回りませんでしたよ。いやお恥ずかしい。
この指標、よく考えてみれば業種区分の取り方が結構致命的に重要かも知れませんなあ。
次回からはご指摘の点(例えば派遣社員など)に注意して複数の業種区分方法で
チェックしてみようと思います。いやあ、貴重なご指摘感謝します。
21 名前:すりらんか 投稿日:2000/08/29(Tue) 22:35

この手のサービス投入や本社労働者などのソロー残差計算への
影響はアメリカのデータを用いてGrilichesがその最晩年に行
っています.結果は結構興味深いですよ.Gri大先生のくやし
そうな顔が思い浮かびそうな結果です(笑).
22 名前:ぺいぺい 投稿日:2000/11/01(Wed) 13:11

開発途上国のソロー残渣を考えるなら、やはり、労働保蔵などの
生産要素保蔵を何らかの形で考えないと、技術進歩を捉えること
はできないのでしょうか?
23 名前:すりらんか 投稿日:2000/11/02(Thu) 00:27

うひーなんと懐かしいスレ!
>ペイペイさん
多分想定されているのはルイスモデルですよね.この場合には
非農業部門の(まぁ普通マクロのTFPったらそうなんですが)
生産性のみに注目するので,手法としては先進国でやるのと同
じようにやります.っていうか近年では少なくとも産業レベルで
TFPはとります.
発展途上国でなくても,工業においても労働・資本の稼働率の
問題は重要です.これを正しくとらえられないと,TFPなんて
景気循環のシャドウ以外の何者でもないということになる.それ
を解決しようとしたのが,Basuなわけです(もちろんまだ不十分)





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