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"ザ・モデル"で経済を語るスレ

244 名前:菊千代 投稿日:2002/07/28(Sun) 20:32

くろきさんじゃないけど、

原田泰平『経済時系列分析再考』九州大学出版会 が古典的計量経済学とフィルターを用いた時系列分析の融合を図っている。数学的には非常にやさしく、難しくなる前に抑制している。フーリエ変換はその第2章、周波数分析とシステム応答の章の第1に書かれている。本当に、彼は時系列のことを理解している。
245 名前:歌舞音曲 投稿日:2002/07/28(Sun) 20:41

菊千代さん、情報感謝します。これはすぐに購入しておきます。
246 名前:自称銅鑼の弟子 投稿日:2002/07/28(Sun) 22:31

>>244 それって、最後の方で安易なカオスの計量を批判している本ですよね。確かに良書。
247 名前:歌舞音曲 投稿日:2002/07/28(Sun) 23:47

いくつか打ち間違えがありましたね。添え字記号とか、左と右とか。w

さて今回(週休四日の公約からいえば今日は休みですが貯金?をつくるためにやってます)は消費について。ミクロ的な基礎付けの観点からは無視できないところでしょう。B.Fを補うためにここは脇田本よりも、バローらの『内生的経済成長理論』(上下巻)がたいへんに役立ちます。

さて一人当たりの効用関数u( )は凹関数でした。これはu'(c)>0,u''(c)<0という仮定とあと、Barro and sala-i-Martinの本にあるように稲田条件をやはりみたさないといけないと思います。以下はかなり同書の説明によります。Barro and sala-i-Martinのわかりやすい説明をそのまま引用しときます。
「この凹性の仮定により、通時的に滑らかな消費の需要がもたらされることになる。すなわち、家計は、cがある期では非常に小となるが、他の期では非常に大となるような消費パターンよりも比較的一様なパターンのほうを選好することになる」(上巻、94-5頁)。

(6)式と(7)式からλを消去して(7)'式がでてくるというのは、問題ないですね。

(du'(ct)/dt)/u'(ct)=θ+n-f'(kt) (7)'

さらにこれを書き直す。書き直し方は、(7)'からではなく、(6)式をtについて全微分する

u''(ct)(dc/dt)=dλt/dt
(7)式から
u''(ct)(dc/dt)=u'(ct)[θ+n-f'(kt)]

両辺を1/u'(ct)で割る。さらに左辺の分母と分子にctをそれぞれ掛けてやる。
そうなるとB.Fの(7)'を書き直した式がでてくる。
248 名前:歌舞音曲 投稿日:2002/07/28(Sun) 23:48

[ctu''(ct)/u'(ct)]((dct/dt)/ct)=θ+n-f'(kt)      ***

ctu''(ct)/u'(ct)は、B.Fによると、「重要なものである。これは効用関数の曲率、すなわち、消費に対する限界効用の弾力性を表している。効用関数が線型に近づくほど(すなわち、限界効用が定数に近づくほど)この弾力性は0に近づく。また、この弾力性は異時点間の代替の弾力性とも密接な関係にある」(40頁)。といわれても何が重要なのか少しわかりませんね。ということで少し丁寧に説明していきましょう。キーはこのctu''(ct)/u'(ct)が家計の消費に対する姿勢を考える上で重要になるということです。

Barro and sala-i-Martinの助けを借りて、***式を移項して次のようにします。

f'(kt)-n=θ-[ctu''(ct)/u'(ct)]((dct/dt)/ct) ****

この****式の右辺はとりあえず、タネをまいたときの(人口成長を調整した)投資の収益率(=資本の限界生産性)と考えられ、右辺は消費の収益率と考えられる。Barro and Sala-i-Martinの98頁には二種類の説明を書いてるが、そのうち一方でこの****式を解釈する。f'(kt)-n=θが成立するときは、((dct/dt)/ct)=0、すなわち消費を異時点にわたって均等に消費することを家計は選択しているということ(ctの時間変化率がゼロということと同じ)。すなわち家計は消費のタイミングについて無差別になるということ。
249 名前:歌舞音曲 投稿日:2002/07/28(Sun) 23:49

それとは異なり、家計が異なる時点において均等に消費をする態度をやめる決定をする場合ももちろん考えられる。第1のケースは、明日の消費のために今日の消費を犠牲にする場合(ctの時間変化率が正の値をとるということと同じ)ことをいやがらない場合。そうなるとθを十分に上回る投資の収益率f'(kt)-nが必要になる。そうならないと家計は今日の消費を断念して待忍しようとはしないだろう。このときの耐え忍ぶさいの補償額(プレミアム)は、
{-[ctu''(ct)/u'(ct)]}((dct/dt)/ct) で示される。
B.Fの記述にあったように、{-[ctu''(ct)/u'(ct)]}は限界効用の弾力性(すなわち効用関数の凹性の大きさをしめす)であり、この絶対値の大きさが耐え忍ぶ際のプレミアムを決める。
 で、第2のケースは、明日の消費よりも今日の消費を犠牲にするのを厭うケース(ctの時間変化率がマイナスの場合)ですが、これは今書いたことから類推できるでしょう。
 でB.Fの記述にあったように、{-[ctu''(ct)/u'(ct)]}はまた代替の弾力性の符号をかえた逆数となる。
250 名前:歌舞音曲 投稿日:2002/07/28(Sun) 23:50

二時点t,sの間での消費の代替の弾力性は以下で示される。

σ(ct)≡−{(u'(cs)/u'(ct))/(cs/ct)}{(d(cs/ct)/d[u'(cs)/u'(ct))}        *****

である。これはσ=−u'(ct)/(u''(ct)ct) となる。そして効用関数が線型であるほどこの代替の弾力性が大きくなる(ここまで書いておわかりのようにザモデル氏の注目点のひとつ消費のスムージングに対する主体の態度が今日の大きなテーマだったのです)。
で、ケインズ・ラムゼイ法則となる(7'')式になるわけですが、その含意は事実上すでに説明しているようなもんですが、ここではそれに立ち入る前に*****式がなぜσ=−u'(ct)/(u''(ct)ct) となるかを考えて今回は終わりにしときましょう。次回はまじに休みをいくつか挟んで41−44くらいの長征にのりだす方針です。といっても41−42の直観的な説明は多いにはしょりますが。
251 名前:歌舞音曲 投稿日:2002/07/28(Sun) 23:50

いま
d(cs/ct)はcs/ctの極小変化分
d(u'(cs)/u'(ct))はu'(cs)/u'(ct)の極小変化分とする。

d(cs/ct)/d(u'(cs)/u'(ct))=lim(ct/ct-cs/ct)/(u'(ct)/u'(ct)-u'(cs)/u'(cs)) limの下はs→t以下同じ。
=lim((cs−ct)/ct)/(u'(ct)-u'(cs)/u'(ct))

ところで

limσ(ct)=lim−((u'(cs)/u'(ct))/cs/ct)×(((cs-ct)/ct)/(u'(ct)-u'(cs)/u'(ct))
=lim−((u'(cs)(cs-ct))/cs(u'(cs)-u'(ct)))=lim−(u'(cs)/cs)×(1/((u'(cs)-u'(ct))/cs-ct))
=−(u'(ct)/ct)×(1/u''(ct))

となります。まあ、Barro and Sala-i-Martinの99ページの注6にもやり方は類似のものがありますが、アホみたいに実践いたしました。ううううう、疲れた。
252 名前:歌舞音曲 投稿日:2002/07/28(Sun) 23:53

また右左の区別が やはりIQ20以下の悲哀が

(誤)f'(kt)-n=θ-[ctu''(ct)/u'(ct)]((dct/dt)/ct) ****

この****式の右辺はとりあえず、タネをまいたときの(人口成長を調整した)投資の収益率

(正)f'(kt)-n=θ-[ctu''(ct)/u'(ct)]((dct/dt)/ct) ****

この****式の左辺はとりあえず、タネをまいたときの(人口成長を調整した)投資の収益率
253 名前:普通の人 投稿日:2002/07/29(Mon) 10:20

歌舞音曲さん>
あとでフォローされると思いますが、利子率=資本の限界生産力
であるということを、明示的に示された方が分かりやすいと思います。
この状態では、消費者の効用最大化問題を解くことにより、最適消費をす
るための必要条件であるEuler Equationを導出したという風に捉え、その
後に、企業の利潤最大化問題を解いた後の市場の利子率と賃金率を
実際に導いておくと、後々利子率が消費の変化率にどういう影響をもたら
すのか分かりやすいと思います。

歌舞音曲さんのおっしゃるように、代替の弾力性が大きくなり、線形(∞
のケース)に近づくとより完全代替に近づくので、異時点間の消費を考え
たときに、よりたやすく消費間の代替ができる(消費のスムージングが)
しやすいといえます。対極はレオンチェフ型のケースで、補完のケース
に当たりますので、消費者は偏った消費パターンをすると言い換えること
ができるのではないかと思います。
254 名前:普通の人 投稿日:2002/07/29(Mon) 10:25

文章が変なので、訂正。
この状態では、消費者の効用最大化問題を解くことにより、最適消費をす
るための必要条件であるEuler Equationを導出しただけです。なので市場
均衡を考えるに当たって、もう一方の主体である企業の問題を解いて
実は市場は閉じているということを示しておくと、のちのち理解が進む
と思います。

つまり、後に、企業の利潤最大化問題を解いた後の市場の利子率と賃金率を
実際に導いておくと、後々利子率が消費の変化率にどういう影響をもたら
すのか分かりやすくなる、ということです。

当たり前すぎかもしれませんが、丁寧にやるというのはブレインストーミング
にもつながりますし、大切なことだと思います。

大量の書き込み、お疲れ様です:)


( 役に立った! | 元スレ )
255 名前:歌舞音曲 投稿日:2002/07/29(Mon) 11:28

普通の人さん、いま外出しなくてはいけないのですこしだけ。
企業の利潤最大化問題については次の2.3節の分権化経済でふれると思いますので、そこで言及するつもりでした。先取りして、いまやってるCentral Plannerの場合と比較するために少し書いておけばよかったのかもしれません。

それと消費の代替と補完についてのコメントありがとうございます。ご期待にかなうかどうか心もとないですがなるべく丁寧にやるよう心がけます。
256 名前:歌舞音曲 投稿日:2002/07/29(Mon) 11:43

それでこのCentral Plannerのケースでは、資本の限界生産力と利子率を明示的には分けていませんが、後に分権化経済のケースでは、資本の限界生産力と利子率が同じであるということが示されます。
257 名前:普通の人 投稿日:2002/07/29(Mon) 12:03

歌舞音曲さん>
お忙しい中、コメントありがとうございました。
Romerで勉強したときに、r = f'(k)ということを先に導出していたので、
そのことが頭にあったようです。Romer(2000)の54ページの式が念頭に
あって、もしかすると先に企業行動も併せて考えるといいかなぁと思っ
たのでした。Barro-Sala-i-Martinにも多少この辺りの説明が載っている
と思いますが、いかがなものでしょうか?
258 名前:歌舞音曲 投稿日:2002/07/29(Mon) 19:13

いやあ、時差ボケが直りませんねえ。眠いです。
普通の人さん。多分お聞きになられていることは、B.Fの最初のラムゼイモデル(これはCentral Plannerの経済)と次にでてくる家計と企業がそれぞれ目的関数の極大化を目指す分権化経済との相違と同一点をまずはっきりすべきである、ということかなと思います。ちょっと式の展開にかまけて確かにその大きいところを説明してませんでした。ケインズ・ラムゼイルールに含意されているのは厚生経済の基本定理といえるものであり、それが中央集権的な経済(いま僕がシコシコ書いてるところ)と分権化経済では同じく成立するというのが、B.Fの最初の目玉のひとつだと思います。なぜ両者の経済が同じ経済的な含意を持ちうるのかを、先に簡単に言ったほうがいいということでしょうか?>普通の人さん? 勘違いしてたらすみませんです。
259 名前:普通の人 投稿日:2002/07/29(Mon) 19:31

歌舞音曲さん>
はい、おっしゃるとおりです。大雑把にガイドラインを示しておくと
のちのちCentral PlannerのケースとDecentralized Economyのケースを比較するときに、
訳に立つと思います。で、Keynes-Ramseyルールは一緒なんだ!
(BenevolentなSocialPlannerが消費者の最適化行動を決めても、個々の主体が最大化
しても同じ)というのが歌舞音曲さんのおっしゃるように最初の目玉の一つだと思い
ます。

丁寧に意を汲み取っていただき、ありがとうございます。m(_ _)m
260 名前:夏の名無しさん 投稿日:2002/07/29(Mon) 22:55

セカンドベスト=ファーストベストってことですな。
261 名前:夏の名無しさん 投稿日:2002/07/29(Mon) 22:57

この場合、ファーストベスト=セカンドベストってことですな。
262 名前:血涙院生 投稿日:2002/07/29(Mon) 23:03

>菊千代さん
情報ありがとうございました。早速今日図書館で借りてきました。
これから読んでみようと思います。
263 名前:歌舞音曲 投稿日:2002/07/29(Mon) 23:19

>普通の人さん

わかりました。アドバイスにしたがって次回の先頭におおざっぱな見通しを書きます。明日以降になりますけど御容赦ください。

>血涙院生さん

お、頑張ってますねえ。若いと行動力早いですねえ、うらやましい。僕も別スレで話題のsuttonの本を読み出しましたよ。あんまし皆が騒ぐから、なんか読んでると「ちゃんと読まんといかんいかん」と妙に緊張しちゃうんだけど。
264 名前:歌舞音曲 投稿日:2002/07/30(Tue) 10:07

普通の人さんとのやりとりでもありましたが、いまやっているラムゼイモデルは何を目的にしているか? またまたわかりやすい脇田さんの本に則り簡単に説明しておきましょう。類似の説明を岩田克人さんが『現代の経済理論』の中の「経済成長論」の論考の中でもやっていますので関心があればそちらも参照してください。私は趣味的に脇田さんの本が好きですが。
それは動学的(時間を通じた)最適化問題を検討しているのです。で、B.Fはこのラムゼイモデルを最初2つの形で提示しています
1 代表的な経済主体(家計あるいは政府)が中央集権的な経済計画問題を解くということ(Central Planner)
2 多数の家計と企業からなる分権的な市場均衡問題を考える(Decentralized Economy)
3 1と2が論理的には同値であることがB.Fの2.1と2.2で述べられています。





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