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▼バランスシート不況という認識は?

50 名前:わくわくさん 投稿日:2002/01/30(Wed) 10:38

ドラエモンさん、こんにちわ。

>情報の非対称性が重要なのは、本来ならサンクコストで経済行動に影響しないはずの過去の>...

えっと、サンクコストや金融のパスというお話はよく知らないのでよくわからないのですが、
上で言っている貸し手と借り手の間の情報の非対称情報のお話というのは、ごく普通の意味
でのお話でそれ以上の意味はないのです。

ここでは、非対称情報の2つの話(hidden knowledgeとhidden action)の両方が
考えられると思いますね。1つは、上で私が申しましたように、借り手(企業)の
収益性だとか貸し倒れ確率などがhidden knowledgeになっており、逆選択が生じて
いる、というお話です。この場合は、金利が高くなるにつれて、優良な企業は逃げてしまい、
危険な企業のみが残ってしまうわけです。すると、信用割当のお話になって、投資は
過小になる、ということになる。でもこれが貸し渋りを説明できるの?というのが一つ疑問。

もう一つは、有限責任制を考えたモデルで、上のHibbardのモデルはこれにあたります。
つまり、情報の非対称性のために、借り手は収益率は高いがリスクの高いプロジェクトを
選ぶという「モラル・ハザード」が生じる、というお話です。この場合には、貸し手(銀行)
は、ぱっぱらーさんのご説明されたように、「審査・モニタリングといった情報生産活動に
よってリスクの低減化を図ろうとし,資金提供時にはそうした情報生産活動の費用」を負担
するか借り手に負担させることになる。これがエイジェンシー・コストです。Hibbardの
モデルではラグランジェ乗数によるタームが内部資金の調達コストを上回ることが確認
できます。
51 名前:わくわくさん 投稿日:2002/01/30(Wed) 10:40

(つづき)
そこで、これらのモデルが現在の貸し渋りをうまく説明しているのか、という点ですが、
確かに後者のモデルでは、担保価値が下落したために、有限責任制の下で、借り手が負担
する限度額が低くなるために、よりモラル・ハザードが発生しやすいということになるで
しょうね。したがって、銀行は景気(デフレ)の悪化による担保価値の下落によって、
貸し出しを控えるでしょうし、これが景気をさらに悪化させます(これはフィナンシャル
・アクセレータと呼ばれますよね)。よって、このような場合は担保価値を下げない政策
(反デフレ政策)が最終処理を急がせるよりも望ましいのでは?というのが私の直観的な
印象なわけです。

もう一方の逆選択のケースは、確かにドラエモンさんのおっしゃるように、担保などを
シグナルとするシグナリング(スクーリニング)が有効ならば借り手のタイプを選別する
均衡が得られるかもしれません。しかし、(おそらく)どのような土地の担保も価値が
下がっているわけですから、うまく分離できるのかはとても疑問です。

金融の現場に沿ったお話は詳しくないので、あくまでごく素朴なモデルの説明として
考えていることを書いてみました。あと上の本も参考にしてください。ではでは。
52 名前:わくわくさん 投稿日:2002/01/30(Wed) 10:43

>ドラえもんさんの45のコメントは
>「デット・オーバーハング」
>という現象に相当するんでしょうか?

ドラエモンさんはバブル期と現在の貸し手を比較されているようなので、
そういうお話とは違うと思います。
53 名前:ぼけ老人 投稿日:2002/01/30(Wed) 15:50

クレジットが制約されるモデルであれば、Kiyotaki and Mooreのクレジット・サイクルでしょう。情報の非対象性を用いずに、不完全情報があるモデル(Bernanke and Gertlerなど)と同様か、それ以上の示唆を導いているので。
実際、マクロの視点からは不完全情報がどのように機能しようとも、最終的に設備投資が担保や純資産のスムーズな関数になることが、景気の振幅を拡大するという帰結をしょうじさせるために重要です。

ところで私は思うのですが、「貸渋り」だけではなくて、「追貸し」のような全く逆の現象が同時に日本経済では生じていると思いませんか?私はこの二つが共存しているという事実がとても興味深いと思いますね。
54 名前:ぼけ老人 投稿日:2002/01/30(Wed) 15:54

改行忘れました。久しぶりだったので申し訳ないです。

因みに>>53の追貸しの件は、慶応の池尾さんからのメールで指摘された話です。
私のオリジナルな洞察ではありません。
当時はたいして気にしなかったのですが、最近になって、これは
実は本質的に重要な側面ではないのかと思い始めました。
55 名前:すりらんか 投稿日:2002/01/30(Wed) 17:06

吃驚!ホントにお久しぶりです.お元気ですか?

>「貸渋り」だけではなくて、「追貸し」のような全く逆の現象が同時に日本経済
>では生じていると思いませんか?
という話題に踏み込むとなると,今度は企業−銀行間の情報の非対称性よりもむしろ
銀行−銀行株主/預金者/納税者間の情報の非対称性に話の重点が移るかと思います
(銀行−その従業員間という視点もあるでしょうが)が,ぼけ老人さんの注目点もこ
こにあるとの理解でよろしいですか?
56 名前:ぼけ老人 投稿日:2002/01/31(Thu) 04:34

>>55
ROMだけは偶にしてたんですよ。お久しぶりです。

預金者ですか?いや、正直、まだよく分かっていないとお答えすべきでしょうが、
私の頭の中では、低生産性部門(企業)ほど、モラル・ハザードが
大きくなり、たくさん流動性を需要しようとするモデルを考えています。
もちろん高生産性部門は、逆になるわけですが、こういうモデルで、
バブル3業種のようなダメ部門に対する「追貸し」と、まっとうな企業に対する
「貸渋り」を同時に説明できないかと考えているところです。

実際、MITIの小林慶一郎氏や、UCSDの星さんも、「追貸し」の問題を指摘していますよね。
貸し渋りと追い貸しは実は根は同じで、要するに、資金が正しくallocateされていない
ということなのではないかなあ、と思っているわけです。

どういう形の情報の非対称性を組みこむべきかという話しについては、むしろここで
知恵をもらいたいくらいです。
57 名前:ららら 投稿日:2002/01/31(Thu) 08:47

>>56
横レス失礼します。
追貸しと貸し渋りの同時発生という構図事態は
全く起こりえないことではないかもしれないと思います。
ただし、現実的には本当にそうかなー?という気はします。

モデルなので可能性を指摘できればいいかとは思いますが、
小林さんに代表されるような複数均衡の話は、
銀行問題の一部を説明しているかもしれないけれど、
マクロ経済全体を見た場合に、需要問題に対する
過度の矮小化が行われていないでしょうか?

小林さんの議論に対しては、岩田規久男さんが
『デフレの経済学』で有力な反論を行っていると思いますが、
ぼけ老人さんは小林理論の現実の説明能力をどのように考えておられますか。
58 名前:プロボーラー 投稿日:2002/01/31(Thu) 11:58

単なるコメントですが、「追い貸し」は既にコミットしている相手との間の取引ですね。
打ち切りによる過去のコミットメントのロス(A)と継続して事態の改善が実現するのを待つ機会費用(B)が意思決定のペイオフになるのではないでしょうか。過去のコミットメントが「ある基準値」を超えたときに、ロスカットできるかどうか、貸し渋りに回れるかどうかという戦略図なのではないでしょうか。基準値の決定とペイオフマトリックスの決定には、法制度、税制、規制当局のスタンスといったものもあるでしょうが、何よりもフォーベアランスを生み出す「期待」形成をモデルに入れることが必要な気がします。
59 名前:エリッチ 投稿日:2002/02/01(Fri) 15:14

横レスですが、
ここでの話はもともと短期の融資契約が結ばれていた銀行-企業間で従来は期限の到来とともにほぼ自動的に同一期間の期限の延長が行われていた。
これが融資先企業の経営状態の悪化という自体を見たところで銀行が実際にとっている行動として、一方で回収がなされ、他方で追加融資がなされている、という現状をどう理解したらよいか、という話ですよね。

>>57
>ただし、現実的には本当にそうかなー?という気はします。
私自身が調べてるわけではないですが、周りの金融やってる人間からはそう聞いてます。
経営状態の悪い企業に直面した銀行としては、
(A)(その企業が倒産したって仕方ないとして)回収できるだけの回収を図る
(B)その企業の回復にかけて、融資を継続する(この場合、経営が困難になっている企業なので多くのケースでは、単なる期間の延長ではなく、追加融資まで必要になる)
のいずれかではないでしょうか?
マクロ的なところはともかくとして、ミクロ的な銀行行動として、プロボーラーさんのコメントに尽きるような気がするのですが・・・
60 名前:ぼけ老人 投稿日:2002/02/01(Fri) 16:17

データを昔ほど詳しく見ないので、現実認識にズレがあるかも知れませんが、
不動産業を中心に、明らかにダメ業種(バブル3業種)の貸出が伸びている
ことが気になります。

プロボーラー氏が指摘するような銀行サイドだけの意思決定の問題であれば、
少しでも生き残りそうな企業・業種で「追貸し」が起こりそうな気がしませんか?
データをみると、むしろダメな企業に対して貸出の量が伸びているケースは、ままあります。
借り手サイドの要因もあると思うという印象があります。

これは、90年代なかばなからの、クレジット・クランチの実証研究が日本であまり上手く
行かないことと整合的です。もしクレジット・クランチなら、B/S毀損が激しい企業ほど、
借り入れが減少していて欲しいわけですが、現実には、全く逆の「ダメ企業への追貸し」が
並存しているので、クレジット・クランチが鮮やかに実証で浮かび上がってこない、
ということかな、と思っているのですが。


( 役に立った! | 元スレ )
61 名前:ぼけ老人 投稿日:2002/02/01(Fri) 16:19

>>57
もしよかったら、岩田反論の概要を教えてください。
62 名前:ららら 投稿日:2002/02/01(Fri) 16:51

つまりそれは銀行自身が自分たちで
健全な審査を放棄して、利益を出すことを放棄し、
死に至る道をまっしぐらに
進んでいるということでしょうか?

少しでも生き残る可能性がある企業に融資するかどうかは
“さまざまな要因”を含んで
基本的に合理的な判断の元で行われているとしか
言いようがないと思います。
(バブル崩壊直後に話題になったような、
つぶれかけたゴルフクラブに多額の融資を続けるといった
極端な例が現状でも行われているというのならば別ですが)

難しいのは成長産業に対する貸し出しをどうみるかです。
ちょっと手元にデータがないんでなんとも言い難いですが、
仮にIT産業に貸し出しが伸びてないとしてもそれは単に
その産業に資金需要がないということではないでしょうか?
63 名前:名無しさん2002 投稿日:2002/02/01(Fri) 22:14

日本銀行調査統計局ワーキングペーパーシリーズ
http://www.boj.or.jp/ronbun/ronbun_f.htm
貸出を通じた部門間資金再配分のマクロ的影響

イチオシです。 参考文献に挙がっている
「不良債権問題の経済学」も併せてオススメです。
64 名前:トトロ 投稿日:2002/02/01(Fri) 23:20

>>57>>61
更に、横やり失礼します。私、理系出身の人間です。だから、思うのかも知れない
けれど、小林さんの主張と、岩田さんの主張を、同一土俵で論ずる事自体が、大きな
違和感を感じます。

小林さんの主張は、範疇がミクロでしょう?これに対して、岩田さんの主張は、
範疇がマクロなのでは無いのですか?
これは、グループダイナミズムにおいて、集団の全体としての運動と、集団の
個々の構成員の運動を、同じ土俵で論じようとするものなのでは無いのですか?
個々の構成員の運動を扱うのがミクロ、集団全体の運動を扱うのが、マクロ。

集団全体としての運動は、集団の個々の構成員の運動から構成されるが、全体
としての運動は、個々の構成員の運動とは、全く異質のものとなる。理系でも、
気体粒子の運動と、気体全体の運動を論ずる学問が有ります。質点系の力学と
熱力・統計力学ですね?

個々の構成員の運動と、集団全体としての運動を、同じ土俵で論じられるのは
どうかと思うのですが?どうでしょう?

「ミクロとマクロを混同するなよ。」とは、経済学でも言われているのでは?
詳しくは、知らないですけれど。
65 名前:ららら 投稿日:2002/02/02(Sat) 01:07

>>61

ぼけ老人さん遅レスすみません。
なんか入れ違いになってしまったみたいで、

岩田さんの反論というのは、
デッド・ディス・オーガニゼーションの実証について
供給連鎖の産業間の複雑さは捕らえているが、
産業内での供給の複雑さを捕らえる指標になっていないこと。
(自動車と建築産業では供給構造が異なる。
つまり十分な実証となっていないこと)
そしてもしそれが事実ならば、生産の減少→
総供給曲線の左シフト→インフレ
という現象が起こるはず。
ということです。
66 名前:ららら 投稿日:2002/02/02(Sat) 01:17

>>64

うーん、もしかして近くにいたりしないよね。
なんかさー、めっちゃ複雑系してない?
してるよね?

経済学では物理と違って、ここ30年ぐらいは
ミクロの行動からマクロを説明できないのは
おかしいということになっています。
(小林さんは別にミクロ派じゃないしね)

私自身はケインジアン的なもんで、
必ずしもマクロがミクロを反映してなくても
違和感がないのですが、
ともかくミクロ的な基礎を抜きにして
話を進めるは現状ではかなり困難。
で、小林さんはミクロ的な銀行行動がマクロに
制約を課していると考えているわけです。

そのこと自体は私は間違っていると思うのですが、
それはともかく、物理と同じ仕組みで経済が説明できるという考えも
そこに何らかの根拠がない限り説得力はないです。

それはかつて生物学からあまたのトンデモ排出してきた
経済学の偽るざる気持ちだと思います。
67 名前:ららら 投稿日:2002/02/02(Sat) 01:46

>>63

とりあえず読んでみてコメントしたいと思います。
それからエリッチさんコメントありがとうございます。
(考え方は相変わらず違いますけどね(笑))
68 名前:ぼけ老人 投稿日:2002/02/02(Sat) 05:16

>>62
IT産業には資金需要が少ないと言われましたよね?
借手要因ですよね。
逆にダメ企業に追い貸しするのも同様に借り手要因はないのでしょうか。
ダメ企業ほど、流動性を必要とする(不足する?)というのは、直感的にも
おかしくない気がします。

>>63
確か、Lilienの労働市場のミスマッチ指標を資本に適用したものだったような。
実際のデータを解釈するのに有用ですよね。

>>65
なるほど。
日本的なマクロ屋らしい反論ですね(笑)。
(ありがとうございます>らららさん)
小林さんの頭の中には、AD−ASはないでしょう。
シカゴでは教えませんしね。
69 名前:名無しさん2002 投稿日:2002/02/02(Sat) 05:22

>>63の論文の手法は、確か資本のミスマッチが起きているかどうかを、
実際の資本移動の頻発度合い(dispersion indexと言う)で見よう
という発想だったように思います。
(今、このパソコンには、日本語アクロバットがないもので・・)

だとすると、
「最適な資源(資本・労働)配分」から、現実がどれくらい離れているのかを
見ることは出来ないというのが弱点になりますね。

因みに。
複雑系の人達が言う「マクロとミクロは別」という議論と、
どケインジアンのそれとは、残念ながら天と地ほど差がありますね(笑)。
70 名前:ぼけ老人 投稿日:2002/02/02(Sat) 05:23

あ、名前いれ忘れました





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